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2006年 02月 03日
先々週の日曜日、確か睡眠リズムが崩れて6時に起きてたんだっけ、引っ越しの準備だけでも忙しいはずなのに「仕事やりたくねー病」の発作に見舞われて読むべき文献を読まず書くべきブログのエントリも書かずにぶらぶらとwebなどを巡回していた時に「そういやホテル・ルワンダって日本公開決定してたよな」という思いつきが頭をよぎったのがそもそもの始まり。9時半に上映時間を調べると初回が10時半@渋谷だという。山手線の駅近くならどこでも1時間で出られるだろうと当てずっぽうで計算してすぐ家を出た。外は前日の雪が各所の路面で凍り付き、歩道とか路地では危険でとてもチャリに乗れなかった。大塚駅前には救急車が来ていたが、まあ何があったのかは察するのみである。
ホテル・ルワンダ(映画公式)は1994年のルワンダ紛争(wikipedia)に巻き込まれたフツ族で外資系ホテルの副支配人である主人公が、ツチの妻や隣人さらにはホテルに集まってきた数百人を守るために死力を尽くしたという筋書き。ドキュメンタリーではないが「実話に基づいた話」だという。 何しろ日本ではなかなか配給会社が付かず署名運動して何とか公開にこぎ着けたような辛気くさそうな題材の映画なので、単館上映で日曜とはいえさくさく入れるだろうと思ってシアターN渋谷に行ってみると…Animate渋谷コミック館の前に長蛇の列が!そんな並んで買うようなアイテムの噂なんか聞いてないし…あれ、どうみても客層がAnimateじゃない、ってことは。 20分前に着いたら既に初回上映の席の分はとっくに埋まっていた。整理券もらってエクセルシオールでも行って次回を待つか、と考え始めた頃「立ち見で良ければどうぞ」との声が。即乗る。そういうのも単館上映っぽくって良いじゃない。 入ると既にトレイラーが回り始めていた。 多分10分は見た。長ぇよ。 本編の筋は省略。印象的だったシーンを2つだけ挙げておこう。台詞は大意しか覚えてないけど。 「ツチ族とかフツ族ってのは何だ?」 「これがニュースで流れれば世界が助けてくれる!」 1つめのシーンについては補足が必要だろう。ツチとかフツというのは本来ほとんど区別がなかったもので、ルワンダが植民地化された際に植民地の管理手法として当時ポピュラーだったいわゆる間接支配という方法のために宗主国(独立はベルギーからだけど大戦前はドイツ領じゃなかったっけ)が支配者階級として半ば人工的に作り出した民族がツチなのである(フツ(wikipedia)参照)。短いやりとりなのでその辺りをどれだけの人がくみ取れたかは分からないけど、「定義によると」という台詞を聞いた瞬間に我が輩大興奮となったのはそういう歴史的経緯がこの台詞にあったからだ。内戦は彼らが愚かだから起こったというわけではない。先進国の身勝手な話のツケをなぜか彼らが支払わされているのだ。 作中でもフツの民兵が主人公らにIDカードを出せと要求する場面がある。要するに彼らにもIDカードがなければ見分けさえ付かないのだ。にもかかわらず彼らは「ツチ」を憎み殺した。理屈だけで見ればもはや滑稽ですらある。 民族というものは文化的あるいは社会学的には、恐らく緩やかにだが分類できるのだろう。しかしそれが”我々”と”彼ら”に”区別”する政治の道具として用いられるとき、それはあなたから個別の判断を奪う為のものだと考えていい。この映画の背景にあるのはそういう話だ。最近の「我々日本人の大和魂」とか「韓国人の奴ら」なんて言説がくだらないのと同じ事だ。 もう一つの無関心についてはちょっと自分にも痛い思い出がある。高校の文化祭、確か高2だったと思う、のときにクラスメートがこの問題についてイベントをやりたいので手伝ってくれと言ってきた。取り立てて仲が良いというわけでも無かったが人付き合いの得意でない僕としてはまあ親しい部類に入る人だったので承諾した。手伝ったと言ってもポスター展示の作成とか当日のスライド発表の一部を手伝った程度で、情報や資材を集めてきて内容を決めたのはほとんど彼女一人の努力による物だった。何しろ僕は、誠に申し訳ないことに自分の発表している内容についての理解さえあまりしていなかった程に関心を持てなかったのである。今でも内容を覚えているのは、砂糖と塩でできたポカリスウェットのような飲み物で脱水状態の人を救うことが出来る、それは1日たった数セントでできることなんだ、という事だけだ。まさに「ああ、ひどい話だ」というだけだった。 この映画にとって、最後のハッピーエンドなどはほんのおまけである。わざわざ休日を半日つぶして1500円払って(学生料金)陰鬱な気分になってきた。でも、時々そういう事をするのは人間として大切な事なのかも知れない。みんなも金を払って重苦しい気分になってこよう。あと、新書アフリカ史という書籍を前もって読んでおくと一層楽しめると思う。というかこの本は普通にとても面白いのでみんな読め。フランス市民革命のイメージまで変わるから。
by sotono_hito
| 2006-02-03 03:16
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