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2008年 05月 31日
masa君が人工知能について書いていたので、昔これについての議論に熱中してたなぁとか思いつつ乗ってみる。募集元はこちら。
割と基本ラインは同じだと思うのだけど、切り口を変えてみよう。というか、僕に育児は語れないからねっ。 ●まずは人工知能の前に知能の話。 進化論から知能を考えると、知能の下限ってどこだろうという話になります。犬?クジラ?インコ?トカゲ? おそらく生物学の考えに最も近いものは「神経系の入出力反応」全般ってことにしちゃうことでしょうか。つまり散在神経系を有しそれほどまとまった動きをするわけでもないヒドラ(実物知らないので、実は奴らはこんなに賢いんだとか言われたらごめんなさいです)にも「知能」があるかもしれないが、障害物に行き当たるとバックして方向転換する単細胞生物(ゾウリムシとか)にはない、と。これもまあ恣意的な分類ですね。あるいは、かご形神経系(原始的な中枢神経系)を持つプラナリアから先、と区切っても良いでしょう。なににしろ、原始的な知能はそういうところにも見られます。 そんな単純な条件反射はロボットにも出来るし知能とは認めがたい、という向きは当然あるでしょう。しかし、知能なんてある日突然哺乳類なかんづく人類に誕生したわけはないし、これらをそのまま知能と認めないにしても、その構成ブロックであることはなかなか疑いがたいところでしょう。 つまり知能というのは、生存上有利であるために生み出され発展してきた機能なのでしょう。生存上有利であるためには個体としてある程度一貫して統制の取れた行動が必要であり、単細胞生物の間は自分一人でなんとでもなっていたけれども多細胞生物になってみて困ってしまっていました。そこで指揮系統というよりは連絡役として神経細胞に分化するような奴の居る生物が偶然生まれ、それが生存上有利であったために今日では寄生生物のごとき大脳を持った生き物が生まれるまでになりました。 ●嬉しいってなんでしょね そういうプラグマチックな知能観から空想すれば、masa君の言う「嬉しい」というのは、生存あるいはその確率を高める行為に対する報酬だろうということになります。自分一人の行動プログラムなら最初から全部用意しておけるけど、多細胞生物の一因として協調してやって行くにはデータ量が大きすぎるので、育ってから自分で行動指針をある程度獲得しなさいよという方向に行かざるを得なかったのでしょう。それでも、ともかくなんでもやってみろではさすがに生まれてすぐの生存率がアレなので、私たちの祖先は最低限の行動指針を「本能」と、後天的に学習する余地、そして評価基準としての「嬉しい」をゲノムに詰め込んだのです。 まあ、これも全部同時に生まれたわけはないのですが、その順番は僕では分かりません。あと、これは巷間「快楽原則」って言われてる奴の一種だと思うんですが…それ以上深いことは分からんので各自調べて。 ●じゃあロボットは嬉しいと思う必要があるの? 人工知能の感情に対するアプローチは2つあると思う。 1つめは、それが高度な機能を統合する上での要件となるので実装せざるを得ないという話。生物の「嬉しい」なんかは多分これ。それが表に出る必要があるか、つまり我々に捉えることに出来る「感情」である必要があるかどうかは別にして、そういうものは高級な人工知能には必ず組み込まれるはずだ。何となれば、BASICのIF THENだってある意味感情なのかも知れない。 もう一つは、人間に対するサービスの質を向上するための付加価値。だけどこれはある意味当然で、客の求めるサービスを推測して満足いくサービスを行う、というところまで人工知能にやらせたいなら、少なくともそれをシミュレートできる必要はあるし、それは表から見える形にするかどうかはともかく、その精度が極めて高いならこれを感情だと称しても問題はなさそうだ。 後は表情をくっつけるかどうかだけの話なんじゃないかな。ユーザーインターフェースの一環として感情を見える形にした福祉ロボットってのは面白いアプローチですな。 ●ロボットの嬉しいは私たちの嬉しいと同質なのか じゃあ聞くけど、あなたの嬉しいと僕の嬉しいは同質なんですか、そもそも。 これはもう外形的に判断するしかないよねと僕は思う。 本居宣長は、詩歌について「意(=心)を似せるのは簡単だが姿を似せるのは難しい」「姿がそっくりになるまで作り込まれたものがその心を持たないわけがない」みたいなことを言ったそうですが、こりゃ確かに卓見ですよ。 ちなみにこの話の元ネタは小林秀雄の「考へるヒント」のどこかなんだけど、それと同じ本にに「人工知能なんて所詮タダの計算よ」なんて書いてあるあたりが小林のダメなところだなぁとか思ったけど、これはまあ後知恵って奴。 なんか大急ぎで書いたからまとまってない(というより説明不足の飛躍が多い)気がするけど、気になる人は適宜ツッコミ下さい。
by sotono_hito
| 2008-05-31 04:37
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